「つくばチャレンジ2011トライアル走行」レポート
~66ティーム中23ティームが約500mのトライアル走行に成功
つくばチャレンジは、自ら考え行動する自律型ロボットが「実環境」の中で、「安全かつ確実に動く」ことを目指す技術チャレンジである。その名の通り、あくまでチャレンジであり、速度を競う競技会ではない。第1回つくばチャレンジは、2007年11月に開催され、以後毎年開催されてきたが、当初より5年間程度で一区切りとするという方針で進められており、これまでのような形態のつくばチャレンジは、5回目となるつくばチャレンジ2011でいったん終了となった。つくばチャレンジは、トライアル走行とファイナル走行に分けられており、トライアル走行を達成したティームのみが、翌日のファイナル走行にチャレンジできる。まずは、11月15日におこなわれたトライアル走行の様子をレポートする。
●トライアルの距離が前回の約2倍の約500mに延長
つくばチャレンジは、技術を広く公表しロボット技術を向上させるために行われており、初年度からすべてのつくばチャレンジを見てきた筆者も、移動ロボットとしての技術は、当初に比べて格段に向上したという印象を持っている。ロボット技術の向上にあわせ、課題の難易度も毎年上がっていることが、つくばチャレンジの特徴でもある。トライアル走行はファイナル走行のコースの一部を利用して行われるが、最初の2回のトライアル走行の距離は約100mであったが、2009年には約140mに、2010年には約240mへと延びており、今回はさらに約500mへと大きく延長された。最初の2回と比べれば、約5倍にも延びたことになる。単に距離が延びただけでなく、コースの路面や周囲の状況のバリエーションも増え、課題の難易度は前回に比べてさらに上がったといえる。
大会委員長の油田教授は、今回のトライアル走行について「2011のトライアルの走破は、つくばチャレンジ初年度のコース全体の走破よりひとまわり難しいのではないかと考えている」とコメントしている。
午前10時に開会式が行われ、大会委員長の油田教授が挨拶を行った
●1回目の走行で19ティームがトライアル達成
つくばチャレンジ2011のエントリーティームは合計69で、前回の70ティームとほぼ同じ数であった。ただし、前日までに棄権したティームや当日棄権したティームもあり、実際にトライアル走行にチャレンジしたティームは全部で66ティームである。前回までとはスタートの仕方が若干変わり、スタートエリアを5分以内に通過しないと失格になる。また、トライアルコースの距離が長くなったことで、制限時間も30分から45分に延びた。
前回に比べて距離がほぼ2倍になった2011のトライアル走行だが、参加ロボットのレベルも上がっており、1回目の走行で19ティームが見事にトライアルコースを走破した。
トライアルの口火を切った電気通信大学IS研究科高齢者支援班ティームの「CARTIS TypeS」の様子
順調にコースを進むCARTIS TypeS
CARTIS TypeSは、1回目の走行で見事にトライアルに成功。タイムは9分24秒であった
東洋大学メディカルロボティクス研究室ティームの「MIDORI 3」
筑波大学知能ロボット研究室屋内組ティームの「山彦メロス」
山彦メロスも、1回目の走行でトライアルに成功。タイムは10分55秒
アイシン精機移動ロボット研究会ティームの「AIME-2011」。1回目の走行は、50m地点でリタイヤしてしまった
AIME-2011は、2回目の走行でトライアルに成功。タイムは21分54秒
中国能開大組込みシステム開発チームの「あまてらす1号」
あまてらす1号の走行の様子。1回目の走行は、65m地点でリタイヤ
明治大学MORIOKA LAB.ティームの「NONOHANA6」
NONOHANA6の1回目の走行は、ゴールまであと少しの470m地点でリタイヤ
NONOHANA6の2回目の走行は、470m地点で、コースから左に逸れて芝生の中に入ってしまい、その後復帰できなくなりリタイヤ
(つづく)
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~66ティーム中23ティームが約500mのトライアル走行に成功
つくばチャレンジは、自ら考え行動する自律型ロボットが「実環境」の中で、「安全かつ確実に動く」ことを目指す技術チャレンジである。その名の通り、あくまでチャレンジであり、速度を競う競技会ではない。第1回つくばチャレンジは、2007年11月に開催され、以後毎年開催されてきたが、当初より5年間程度で一区切りとするという方針で進められており、これまでのような形態のつくばチャレンジは、5回目となるつくばチャレンジ2011でいったん終了となった。つくばチャレンジは、トライアル走行とファイナル走行に分けられており、トライアル走行を達成したティームのみが、翌日のファイナル走行にチャレンジできる。まずは、11月15日におこなわれたトライアル走行の様子をレポートする。
●トライアルの距離が前回の約2倍の約500mに延長
つくばチャレンジは、技術を広く公表しロボット技術を向上させるために行われており、初年度からすべてのつくばチャレンジを見てきた筆者も、移動ロボットとしての技術は、当初に比べて格段に向上したという印象を持っている。ロボット技術の向上にあわせ、課題の難易度も毎年上がっていることが、つくばチャレンジの特徴でもある。トライアル走行はファイナル走行のコースの一部を利用して行われるが、最初の2回のトライアル走行の距離は約100mであったが、2009年には約140mに、2010年には約240mへと延びており、今回はさらに約500mへと大きく延長された。最初の2回と比べれば、約5倍にも延びたことになる。単に距離が延びただけでなく、コースの路面や周囲の状況のバリエーションも増え、課題の難易度は前回に比べてさらに上がったといえる。
大会委員長の油田教授は、今回のトライアル走行について「2011のトライアルの走破は、つくばチャレンジ初年度のコース全体の走破よりひとまわり難しいのではないかと考えている」とコメントしている。
午前10時に開会式が行われ、大会委員長の油田教授が挨拶を行った
●1回目の走行で19ティームがトライアル達成
つくばチャレンジ2011のエントリーティームは合計69で、前回の70ティームとほぼ同じ数であった。ただし、前日までに棄権したティームや当日棄権したティームもあり、実際にトライアル走行にチャレンジしたティームは全部で66ティームである。前回までとはスタートの仕方が若干変わり、スタートエリアを5分以内に通過しないと失格になる。また、トライアルコースの距離が長くなったことで、制限時間も30分から45分に延びた。
前回に比べて距離がほぼ2倍になった2011のトライアル走行だが、参加ロボットのレベルも上がっており、1回目の走行で19ティームが見事にトライアルコースを走破した。
トライアルの口火を切った電気通信大学IS研究科高齢者支援班ティームの「CARTIS TypeS」の様子
順調にコースを進むCARTIS TypeS
CARTIS TypeSは、1回目の走行で見事にトライアルに成功。タイムは9分24秒であった
東洋大学メディカルロボティクス研究室ティームの「MIDORI 3」
筑波大学知能ロボット研究室屋内組ティームの「山彦メロス」
山彦メロスも、1回目の走行でトライアルに成功。タイムは10分55秒
アイシン精機移動ロボット研究会ティームの「AIME-2011」。1回目の走行は、50m地点でリタイヤしてしまった
AIME-2011は、2回目の走行でトライアルに成功。タイムは21分54秒
中国能開大組込みシステム開発チームの「あまてらす1号」
あまてらす1号の走行の様子。1回目の走行は、65m地点でリタイヤ
明治大学MORIOKA LAB.ティームの「NONOHANA6」
NONOHANA6の1回目の走行は、ゴールまであと少しの470m地点でリタイヤ
NONOHANA6の2回目の走行は、470m地点で、コースから左に逸れて芝生の中に入ってしまい、その後復帰できなくなりリタイヤ
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