※赤字部分は2010年度追記分 ※詳細は変更する可能性があります。
人々が生活する空間で人々と親和性を保って行動するため、ロボット及びその開発者・オペレータには、以下の各項目について遵守が求め られる。これらの事項は、自律走行時のみではなく、開発やデータ収集、テスト等のための走行時にも遵守されなければならない。
[安全のための事項]
[1] ロボットのサイズ
ロボットは遊歩道を走行・歩行するのに適した人間のサイズを基本としたサイズとし、進行方向の横幅は75cm以内、長さは120cm以内、重量は 100kg以下とする。 また、高さは最高部を
0.6m
以上、1.5m以下とする。(注 1)(注2)
[2] 動作速度
走行時の最高速度は4km/h以下。(注3)
[3] 非常停止スイッチの設置
オペレータ以外にもそれが非常停止スイッチとわかり操作が可能なること。 非常停止スイッチは、ロボットが誤動作していても、ロボットを安全に停止させられることが求められる。したがって、ソフトウェアを介さないでロボットへの
動力供給を断ち停止させるものである。なお、非常停止の後も、オペレータの操作により、その場から動作を再開できるよう配慮されている
こと
。 (注4)
[4] ロボットは危険な突起部分等を有しない形状であること。
[5] ロボットは高温の露出部を有しないこと。
[社会への受け入れと理解を得るための事項]
[6] ロボットナンバーの表示
ロボットには、それが「つくばチャレンジ」に参加しているロボットであることを明らかとし、ロボットの個体を識別できるよう、規定されたサイズのナンバー
プレートを各方向から見える位置に取り付け(または、貼り付ける)こと。(注5)
[7] テスト時の無線による操作等の禁止
ロボットを、テストや環境データの取得あるいは移動のためにオペレータの操作により制御する場合、および、ロボットの状態等をモニターする場合は、無線通信を用いず有線でロボットに接続すること。
(注6)
[8] 非常停止や一旦停止後の簡単な走行再開指示
ロボットが一旦停止後にオペレータが走行の再開を指示する場合、
簡単な操作で再開指示が与えられること
。(注4参照)
[9] その他
(1) ロボットは動作中騒音や振動を発生しないこと。(注7)
(2) ロボットは、市街地で働くロボットとして環境への調和を配慮した設計、デザインであること。
(3) ロボットは環境にやさしい機械としてエコロジーやエネルギー効率に配慮して設計・デザインされていること。
(注1)
[ロボットのサイズ・重量制限についての安全優先の考え方]
ロボットの大きさに制限を加える理由は、まず安全性を確保し、人々に不安を与える可能性をできる限り排除した上で、人々と共存するロボットの技術へのチャレンジを行うためである。ここでは、できる限り「世の中の人が恐怖を感じることのないサイズ」から世の中に受け入れられつつ技術を確立 していくことを原則とする。これは、既存の電動カート等を流用すると、システム開発に注力できる分だけ、より高度な技術開発が出来るという考え方に優先するものであり、例えば、「これが暴走してきたら恐い」と人々に思わせないサイズ、あるいは、よそ見している人にぶつかっても、大きな被害の発生しない形状と サイズ・重量のボディであることが求められる。それには、1人で動かせる手動の車椅子、幼児用バギー、ショッピングセンターのカートなどのサイズや重量が参考となる。
一方、いくら軽く小さくても、遊歩道を走っている自転車が接触すれば、自転車側にも被害が生じ得る。もちろん、自転車を走らせる人も十分な注意をすることが求められるが、安全のためにはそれなりにロボットの存在が目立つ必要がある。従って、サイズ自体をあまり小さくしすぎることは望ましくなく、それなりの高さを有していることが
求められる
。
(注2)
飛行又は跳躍する場合も最大地上高が1.5mを越えてはならない。
(注3)
試走や実験時においても、4km/h以上で走行する能力は持たないこと。
(注4)
[安全確保のための非常停止操作]
つくばチャレンジの運営においては、非常停止させるべき危険が外的要因の場合は、非常停止した後その危険が解決した場合には、動作の再開ができることとする。これは、危険の可能性を感知した場合に非常停止スイッ チを押すことをためらわせないためである。したがって、ロボットは非常停止ボタンにより、動作を一旦停止させる機能を持つこと、および、一旦停止した位置から走行を再開させる機能を
有することが求められる
。
(注5) つくばチャレンジ2010においてはロボットナンバーの表示はサイズを縦11cm×横13cmとする。これを前後を含む2-4カ所の地上5~40cmの高さに取り付け(又は貼り付け)ること。
各ロボットのナンバーは2010年度の受付番号としデザインは事務局が配布する。
(注6)
[ロボット技術への理解の増進のための配慮]
ロボットには社会から実力以上の期待を持たれることが多く、操縦で動いていても自律的に働いていると感じる市民が存在する。したがって、つくばチャレンジでは実験時に、ロボットが自律的に動いているかどうかを、周りにいる市民が明確に理解できるようにし、そのような誤解を避けて技術への理解を助けるため配慮する。
(注7) ロボットが発する騒音や振動は、通常の屋内や歩 道等で一般に許容されている程度までにおさめること。