公益財団法人ニューテクノロジー振興財団 NTF -New Technology Foundation-

マイクロマウス 2017

NTFトップ > マイクロマウス > ロボトレース競技規定
2010年5月6日改定
2012年10月17日改定
2013年8月1日改定

ロボトレース競技規定

ロボトレース競技は、ロボットに定められた周回コースを走行させ、自律操縦の巧みさとスピードとを競う競技である。ここに出場するロボットをロボトレーサと呼ぶ。
1.ロボトレーサに関する規定
1-1 ロボトレーサは自立型でなければならない。スタートの操作を除き、有線、無線を問わず外部からの一切の操作を行ってはならない。
1-2 ロボトレーサは、競技中に操作者により、ハードウェアおよびソフトウェアの追加、取り外し、交換、変更を受けてはならない。ただし、軽微な修理・調整は許される。
1-3 ロボトレーサの大きさは全長25cm、全幅25cm、全高20cm 以内でなければならない。
1-4 ロボトレーサは、接地力を増すための吸引機構を装備してはならない。
2. コースに関する規定
2-1 コースの走行面は黒色とし、コースは、幅1.9cm の白色のラインで示された周回コースである。ラインの全長は60m以下とする。
2-2 ラインは、直線と円弧の組合せにより構成される。ラインは交差することがある。
2-3 ラインを構成する円弧の曲率半径は、10cm以上とする。また、曲率変化点間の距離は10cm以上とする。
2-4 ラインが交差するとき、交差の角度は90度±5度とする。(図1 参照) ラインが交差する点の前後25cmは、ラインは直線とする。
2-5 スタートラインおよびゴールラインを周回コースの直線部分に置く。ゴールラインは、スタートラインの後方1mに置く。ラインの進行方向右側のスタートラインとゴールライン上には、それぞれスタートマーカーとゴールマーカーが定められた位置に貼付される。(図2、3 参照)
2-6 スタートラインとゴールラインの間のラインの中心から左右それぞれ20cmの領域をスタート・ゴールエリアと呼ぶ。また、スタートラインとゴールライン上には、それぞれスタートゲートとゴールゲートが置かれる。スタートゲートとゴールゲートの内のりは幅40cm、高さ25cmとする。
2-7 スタートラインとゴールラインの前後25cmのラインは直線とする。
2-8 ラインの曲率が変化する地点には、進行方向左側の定められた位置にコーナーマーカーが貼付される。(図4 参照)
2-9 コースの走行面は通常水平とするが、部分的には最大5度の傾斜がある場合があるものとする。
3. 競技に関する規定
3-1 ロボトレーサは、本体の床面への投影が常にコースを示すライン上にあるように走行する。走行中のロボトレーサ本体がライン上から完全に離れた場合をコースアウトとする。
3-2 ロボトレーサは、3分間の持ち時間を有し、この間3回までの走行をすることができる。
3-3 走行は、毎回、コース上に定められたスタート・ゴールエリア内より指定された方向に対して開始するものとする。
3-4 ロボトレーサは周回走行後、スタート・ゴールエリア内に自動停止し、かつ2秒以上停止しなければならない。
3-5 ロボトレーサが各回の周回走行に要した時間のうち、最も短い時間を、そのロボトレーサの周回走行時間記録とする。
3-6 周回走行時間の測定はスタートライン上のセンサがロボトレーサの本体の一部をセンスしてから、ゴールライン上のセンサが同じロボトレーサの本体の一部をセンスする間を計測する。ただし、ロボトレーサの本体の全てがゴールラインを通過しなければ、計測された周回走行時間は記録として認められない。
3-7 ロボトレーサが周回走行中に、コースアウトした場合、もしくは2秒以上停止した場合、その走行が終了したものとする。
3-8 操作者はコースが公開された後でコースに関する情報をロボトレーサに入力してはならない。また競技中にスイッチ操作等で、コースに関する情報を修正、あるいは部分的に消去することはできない。
3-9 操作者は競技委員長の指示、または走行中止の許可がない限り走行中のロボトレーサに触れてはならない。競技委員長は、ロボトレーサが走行不能となった場合、走行中止の申し出を認める。
3-10 競技場の照明、温度、湿度は通常の室内環境とする。照明の調整に関する申し出は受け付けられない。
3-11 競技委員長は必要と認めた場合、操作者に対してロボトレーサについての説明を求めることができる。また、競技委員長の判断で走行の中止、または失格の宣言その他必要な措置を講ずることができる。
3-12 競技の表彰内容及び評価基準は競技会ごとに定める。
[注意]
1. 競技中にプログラムのローディングおよびROM交換を行うことは許されない。また、競技中にロボトレーサを、本体とは独立した開発装置やコンソールボックスと接続して、プログラム実行に関する指示を与えることも許されない。
2. 競技中にタイヤについた埃やごみ等を、粘着テープ等で除去することは許されるが、摩擦力を増やすために、溶剤等を使用してはならない。
3. スタート操作の後、スタートラインに達する前に、停止またはコースアウトした場合は、1回の走行とみなす。
4. ロボトレーサが周回走行を行い、ゴールラインを通過してもスタート・ゴールエリア内に自動停止しなければ、その回の走行記録は無効とする。
5. 調整等のため、走行時を除いて、スタートゴールエリア以外にロボトレーサを置いてはならない。
6. コースは、曲率の変化する円弧が連続する場合もある(図4 参照)。
7. ロボトレース競技のコース面は、木材に黒のつや消し塗料が塗布されており、ラインは白のビニールテープ(及びそれに準じるもの)を使用する。走行面は極力平らとなるようフィールドを製作するが、工作・設置の精度により、1mm程度の段差が生じることが有る。また、路面のグリップに関する申し出は受け付けられない。
8. スタートライン及びゴールライン上のセンサについて(図5に示されている)
種類:透過型赤外線センサ
    光軸は水平であり、床面より約1cmの高さにある。