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ロボトレース競技レポート

~長いウェーブを疾走し、「Li-Zai」Shih-Wei Chao氏が連覇!

【画像1】第33回マイクロマウス全日本大会 ロボトレース競技


ロボトレース競技には、112台がエントリーした。緩やかなカーブが連続する長いコースを攻略し、「Li-Zai」が連覇を果たした。

予選に出走したのは86台。66台(76.7%)がゴールし、第2走行には50台(58.1%)が成功した。
今年の予選は、全長18mのシンプルなコースだった。カーブの最小回転半径も15cmが2箇所、クロスも2箇所。シンプルながらもロボトレース競技の基礎技術といえる要素が凝縮されたコースだった。

【画像2】2012年ロボトレース競技予選コース。全長18m

【画像3】予選競技風景


決勝進出権が与えられたのは14秒台でゴールした38台。その中から、類似性が高いマシンと棄権の1台をのぞき、31台が翌日の決勝に出走した。

決勝は、緩やかなウエーブ状のカーブが長く続く細長いコースだった。スタート直後に約10mの直線。この直線を抜けた後に、R10カーブがある。そして、延々と続くように思えるウェーブ。そしてフィールド内中央にあるR10と直線を組み合わせたクロスエリア。そして、また連続ウェーブを抜けた後に、今度は5連のタコ壷カーブ。
全長38mと短めなものの、高い加速性能と最高速性能、そしてトップスピードからしっかりと減速できる制御が求められるコースとなっていた。

第1走行には29台(93.5%)が成功。第2走行は、19台(65.5%)が成功した。3回全てに成功したのは9台(31.0%)だった。

【画像4】2012年ロボトレース競技決勝コース。全長38m

【画像5】ロボトレース決勝風景


【画像6・7】長く続くウェーブが特徴的な決勝コース


【画像8・9】スピードが出たところでR10が連続する難所


上位のロボトレーサーがどのように、コースを攻略したのか動画で紹介しよう。

3位に入賞したのは、「Skull2.2(Wu, Yu-Cheng氏/Yu, Tsung-Yu氏)」。第1走行を36秒075掛けて走行。第2走行で17秒333に記録を縮めた。スピードを上げて挑んだ第3走行では、中央のクロスを抜けた後、R15からR40のカーブ連結でコースアウトしてしまった。


【動画】Skull2.2の1回目の走行。記録は36秒075

【動画】Skull2.2は2回目に、17秒333と記録を縮めた。


【画像10・11】Skull2.2(Wu, Yu-Cheng氏/Yu, Tsung-Yu氏)



2位は予選を1位で突破した「Cartis03(平井雅尊氏)」。Cartis03は、直線内にある小さなカーブを直進する制御を搭載しており、中部地区大会では見事に成功している。しかしながら、長い連続ウエーブへの対応は考えていなかったということで、封印したまま第2走行を行った。
第1走行はマーカーを記憶しながらも、21秒458と速かった。その後、16秒416、15秒463と走るたびに記録を短縮した。


【動画】2位「Cartis03(平井雅尊氏)」の第1走行。記録は21秒458.

【動画】Cartis03の最速は3回目。記録は15秒463だった。

【画像12・13】Cartis03(平井雅尊氏)



優勝は、昨年に引き続き「Li-Zai(Shih-Wei Chao氏/Sheng-Hung Lin氏)」。 第1走行は42秒882掛けてじっくりと走行。第2走行で一気に記録を14秒813に縮めた。第3走行は、残念ながら最期のタコ壷でコースアウト。


【動画】Li-Zai(Shih-Wei Chao氏/Sheng-Hung Lin氏)の第1走行。記録は42秒882。


【動画】Li-Zaiの最速。2回目の走行で14秒813を出して優勝。

【画像14・15】】Li-Zai(Shih-Wei Chao氏/Sheng-Hung Lin氏)


「Cartis03(平井雅尊氏)」の第2走行には「新しい技術チャレンジが見れるのでは?」という観客の期待が集まっていた。すばやくウエーブをたどって走るCartis03を見て、スピードに驚きつつも落胆の声が上がっているのは、そのためだ。
Cartis03以外にも、「KNCT-RT1(葉山清輝氏/熊本高等専門学校)」、「FRAGILE012RT(河野純也氏/日産自動車株式会社)」がショートカット達成に向けて開発をしている。葉山氏は、「直線に囲まれた小さなカーブはショートカットできる」と競技に挑んだが、残念ながらコース上になかったため課題クリアとならなかった。

委員会が出した課題に対する参加者たちのチャレンジは続いている。次回こそ、新しい技術の成果が見られることを期待したい。

決勝出場トレーサー
















※予選通過順で掲載、22番は棄権