「ロボトレース競技」について、以下の変更を行ます
競技規定はコチラ
1. 2008年度の大会から「吸引機構」の搭載を禁止します
これは、より変化に富んだ走行面やコース設定に対応した技術の開発や、独創的なメカニズムや走行
制御方式を持つ多様なロボトレーサの登場を促すための措置です。
ロボトレースは、自動車のサーキットレースを模したような、ロボット(自律走行車)の競技として企画
されたものです。 コースには連続したカーブや長い直線などがあり、カーブでのコース取りの工夫や直線での加減速 などを行う等、巧みな操縦でコースを走り抜けていくレースになり、期待通りハードウェアと制御技術
の調和した競技が展開されるようになりました。
その中で、独創的なメカニズムとして吸引機構が登場し、圧倒的なスピードで走行できる可能性を
示し、最近2回の大会では、吸引機構付きのロボトレーサが上位を占めるようになりました。
これは路面とタイヤの接地摩擦を高めることがいかに重要な要素かを如実に示しています。
これが十分に高い技術を要することは明らかですが、この事が同時に独創的なメカニズムや制御方式のロボットの登場を阻害する可能性が高い事に危惧を感じた事が今回のルール改正の理由です。
競技委員会は、ロボトレース競技の今後の展開として、より変化に富んだ走行面やコース設定を行う ことを考えており、独創的なメカニズムや走行制御方式を持つ多様なロボトレーサが登場し、巧みな
操縦でコースを走り抜けていくレースとなることを期待しています。
2. 2008年度より「最小曲率半径」および「曲率変化点間の距離」を現在の15cmから10cm
とします
3. 上記2に伴い「コーナーマーカー」、[スタートマーカー」および[ゴールマーカー」の長さを
8cmから4cmに変更します
(以下は6月9日に追加記載したものです)
最小曲率半径等をより小さくする今回の変更は、ロボトレース競技の原点である自律操縦の巧みさを、
よりいっそう高いレベルで実現し、コースの特徴を捉えたメリハリのある走行をするロボトレーサの
登場を期待するために行うものです。
変更された最小曲率半径の縮小率は約70%です。現在参加している多くのロボトレーサにとって厳
しい変更になります。曲率半径15cmのラインに沿って走れたロボトレーサでも、曲率半径10cmのラ
インにボディの中心を沿わせて走行するのは大変難しくなります。この難しさに挑戦していただくこと
が、今回の変更のテーマです。
ところで、ルールでは、ロボトレーサのボディの一部がライン上にあるように走行すれば良いことにな
っています。したがって、既存のロボトレーサでもボディの一方の端がライン上にあるようにして走行
できる可能性が残ります。低速の場合は、少しのバックと切り返しでラインに乗ることも可能でしょう。
高速の場合は、スリップをしながらスピンして駆け抜けられるかもしれません。
こうした走行を実現するために、走行すべき仮想的な軌跡の計画を行うことが考えられます。床面の
ラインに追従するのではなく、計画した仮想的なラインに沿って走行するようにします。もちろん、この
ためにセンサ配置の工夫をしてコースを良く観測・精査できるようにしなければならないことは言うま
でもありません。さらに速度の綿密な制御なども行う必要があるでしょう。これらは、実は、もともとロ
ボトレース競技が当初から求めていたものです。仮想的な走行軌跡を計画できるように、コーナーマ
ーカーを配置したり、ボディがライン上にあるように走行するといったルールになっている訳です。
このような技術課題の意図を良く理解して頂き、更にレベルの高いチャレンジをして頂けるよう期待を
しています。
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