ロボトレース競技規定改定の補足

 ロボトレース競技規定には、「ロボトレース競技は、ロボットに定められた周回コースを走行させ、自律操縦の巧みさとスピードとを競う競技である。」とあります。マイクロマウス委員会は、「自律操縦の巧みさとスピード」とは「賢く、速い」ことと解釈しており、これを実現するロボトレーサの開発を期待しています。ここでの賢さとは、課題コースを賢く理解し、幾何学的・力学的な観点で賢く経路計画した上で、賢い制御により速く走行することであり、それらをロボットが自律的に判断し、競技進行することを意味しています。
 しかし、規定文言が明確にそれを示しておらず、現状の競技においても「賢く」の意である知能性、及び自律性を評価する枠組みが不足していた点が否めません。そこで、2023年度より、知能性と自律性を評価する枠組みとして、賢さに対する評価基準を新規設定することとしました。具体的な名称や評価内容は、後日Web 等で公開します。
 これに伴い、競技規定が一部改正されます。これまでは、賢さへの努力を阻害する可能性を重視し、競技規定1-4 を設定していました。
「1-4 ロボトレーサは、接地力を増すための吸引機構を装備してはならない。」
しかし、マイクロマウス委員会としては、新しい技術チャレンジによる自由な開発を阻害するような禁止事項を設定したくないという思いを以前より持っていました。前述の賢さに対する評価基準の新規設定に伴い、2023年度より、「外力利用による接地力付加全般について機体設計に含めることを妨げない」こととし、競技規定1-4 を削除します。ただし、タイヤへの粘着力付加等のコースを損傷する恐れのある行為については従前どおり禁止されていますので注意してください。
「1-5 ロボトレーサは、接地力を増すための過度な粘着力をタイヤ等に付加してはならない。」
競技者の皆さんの自由な発想による、賢く速いロボトレーサに会えることを期待します。

マイクロマウス委員会

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