マイクロマウス大会とニューテクノロジー振興財団の基本的立場と方針(ロボット競技のプロリーグ化の動きに関して)

2024年1月に各種ロボット競技のプロリーグ化(e-sports化)を目指す他団体が立ち上がり、その中でマイクロマウス大会の競技についてもプロ化を目指してイベントを開催するという誤解をされかねない流れの記事がありました。
その記事を読まれたマイクロマウス大会の参加者、関係者の方から、「この団体とはどういう関係か?」マイクロマウス大会の競技についても「プロ化を目指すのか?」という趣旨の問い合わせがありました。

これについて、マイクロマウス大会とニューテクノロジー振興財団の基本的立場と方針をご説明します。

マイクロマウス大会にご参加くださる選手の皆様、平素よりご支援頂いているスポンサー企業、団体、学校、関係者の皆様にはご承知のことと思いますが、当財団は、マイクロマウス大会の各種競技を通じて、広くAI、ロボットのエンジニアの育成を行うこと、科学技術の啓蒙活動を行うことを公益事業として掲げております。
また、エンジニア育成の面から特に若年層の参加者にとって重要と考えるオープンマインドでの情報交換、勉強会、技術交流を大切にしております。

マイクロマウス大会は、参加者のエンジニアとしての技術研鑽や技術交流の側面を強く推奨しており、大会参加者の(e-sportsのような)プロ化を奨励することは当財団の意図するところではありません。
特にマイクロマウス大会において、プロリーグを作るというような計画も一切ございません。

一般論にはなりますが、これまでの他のe-sportsや海外の演出に富んだロボット競技等のチーム形成や演出から推察されることとして、良い面としては、その競技のエンターテイメント性をアップし、参加者、観客の認知度があがり、収益等も見込める事等が挙げられます。
一方で、プロ化は勝つためだけに対策をする、ファンやスポンサーの囲い込み、技術情報を出さない等のオープンマインドとは異なる風潮を助長しかねない側面を含んでいます。

社会人であれば、スタートアップをはじめとする起業家として、あるいは個人のエンジニアとしてスポンサーを得るなどはあり得る話とは思います。過去のマイクロマウス大会の参加者が起業家として活躍する事例も多々ありますので、それをプロ化、と呼ぶのなら大いに応援するべきと考えます。

今後も時代の趨勢により、ロボット競技のプロ化を目指す団体が出てくることもあるかもしれません。

しかし、当財団は現段階では、他団体によるプロ化を目指した大会運営には一切関与しておりません。
皆様におかれましてはご賢察の上、ご理解いただけますようよろしくお願い致します。

なお、この立場は、マイクロマウス大会の各競技の普及活動を目的とした任意団体(大学、企業、サークル等)、あるいは個人や有志がマイクロマウス、ロボトレース競技の練習会やエキシビションに参加、開催することを問題視する意図はございません。

当財団としましては、マイクロマウス大会の関連競技の普及活動として、学校や、サークル、地域振興イベント内で競技に準じたデモを有志で行う活動については、公益目的に通じる活動としてこれまで通り支援いたします。

しかしながら、スポンサー以外の経済活動につながるような特定の団体による大会開催は当財団は認めておりません。(マイクロマウス、マイクロマウス大会の商標はNTFの登録商標です。)

マイクロマウス大会では、過去40年以上にわたって選手自身の過去の自分の記録との戦いとしての自己研鑽、技術のオープンさとノーサイド的なマインドの育成を心がけながらエンジニアの育成に取り組んできております。
おかげさまで、当財団では大会参加者だけでも累計1万人以上のエンジニアがマイクロマウス大会を通じて育成できたという自負もございます。

これらの活動が続けられてきたことも参加者、スポンサー、関係者の皆様の厚いご支援の賜物です。

もし開催されるイベントなどでマイクロマウス大会の関連競技に参加、運営をされる場合、ご不安・ご不明な点がございましたら、公益財団法人ニューテクノロジー振興財団まで遠慮なくお問い合わせください。

今後とも当財団の活動へのご参加、ご理解、ご支援を賜りますようお願い申しあげます。

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