財団法人ニューテクノロジー振興財団 NTF -New Technology Foundation-

つくばチャレンジ

menu
つくばチャレンジトップ 主旨と課題 2009の課題 要項
遵守事項 運営手順 他のロボットへの対処 記録・評価 情報公開
過去の要領
2008 2007
過去の結果報告
2008 2007
ML募集 問い合わせ

ロボット走行時の他のロボットへの対処

※詳細は変更する可能性があります。

つくばチャレンジではロボットの実環境での動作の実現を一般の市民が使っている遊歩道を用いて行う。このため、市民の安全の確保や迷惑をかけないこと、不安を与えないことはきわめて重要な条件であり、製作するロボットの仕様やその運転方法について遵守事項を定めている。すなわち、遵守事項はチャレンジの運用のためではなく、このロボットの実験を市民に受け入れてもらうためのものである。

一方、つくばチャレンジでは複数のロボットが実環境内を同時に走行する。このため各々のロボットは他のロボットを注意し、それに対して気を使うことが求められる。これについては、つくばチャレンジに参加するロボット同士の問題である。ここでロボットに求められる要求は参加者の申し合わせ事項としてまとめることとしたい。

◎ロボットの走行方法に関する申し合わせ
[1] ロボットは、決められた遊歩道の区域内において原則として左側を走行する。
[2]ロボットは走行中、他のロボットに衝突しないことはもちろん、その走行を妨げないように振る舞うことを原則とする。
[3]ロボットがその能力を有しそのように振る舞うことは大いに評価の対象とする。ただし、[2]の能力が不足してもそれは当面やむを得ないとして、その不足分は担当委員の指示に従ったオペレータの操作によって補う。

他のロボットの走行を妨げるケースとしては
(1) 走行中、コースの左側半分からはみ出すことにより対面する他のロボットの走行をふさぐケース
(2) ロボットが路上の中央部に停止していたり、あるいはきわめてゆっくり走ることにより、後続するロボットの走行を妨げるケースが考えられる。これらのケースが発生するか否かは相手となる他のロボットの回避能力にも依存する。しかし、これらのいずれの場合も、他のロボットの走行を妨げていることが明らかな場合は、担当委員はオペレータに手動で操作することによりその事態を回避することを指示する。

この事態の回避には次の二つが考えられる。
(1) (他のロボットの動きを妨げている)ロボットを停止させる。これにより他のロボットはその自律性によって停止しているロボットを回避して走行する。

(2) 他のロボットの動作を妨げているロボットを停止させても、他のロボットがそのロボットを自律的に回避することができない場合は、停止させたロボットを手動操作または、持ち上げ等により一旦コースから排除する。これにより他のロボットを走り抜けさせた後、オペレータは排除したロボットを再び操作して元の位置に戻し、そこから再度走行を開始させる。 これらは、いずれもチャレンジの走行に随走する担当委員が判断し指示を出すものとし、オペレータはその指示に従う。

[ 説明 ]
現在ロボットの技術の現状では、つくばチャレンジのような実環境を走行しながら他のロボットを確実に発見し、その動きを認識して自分の目的の動作を達成しつつ他のロボットに迷惑をかけないように振る舞うことの実現はきわめて難しい。これを容易にする一つの方策は、ルールを定めて個々のロボットにその形状や振る舞いを限定させて、他のロボットが視認し、対応し易くすることである。つくばチャレンジでは当初この方向をも模索した。しかし、ロボットに必要以上の条件をつけることはつくばチャレンジの考え方からはずれて「競技」の性格を持たせることになる恐れがあるため、その方向はとらないこととした。すなわち、つくばチャレンジでは原則としてこのようなルールを作ることはせず、ロボットにはそこにいる市民にとって、見やすい形を持ち分かり易い振る舞いをすることのみを求めることとする。将来ロボットがそのような条件の中でも互いを認識できるようになってゆくことはロボット技術が目指す方向であり、時間をかけて追求すべきものである。したがって、つくばチャレンジでは、他のロボットに迷惑をかけないことに関して現状で不足している各ロボットの能力については、オペレータがロボットを停止させてさらに必要によってはロボットを道から取り除くことによってカバーすることはやむを得ないものと考える。
なお、これは参加するロボットの間の申し合わせであり、他の障害物に対しては何も要求できないことは当前である。